釣りの道具の一つ、リール。
多くの釣りで使われている、とても高価で良くできた道具です。
私自身も子供の頃から釣りをしてきましたので、それがどれほど重要で、どれほど大事な道具なのかも、良く知ってるつもりです。
大人になって、自分で自由にできるお金も出来て、趣味の範囲とはいえ結構な金額でリールを買って、大切にしている訳です、誰もが。
とは言いながらも、魚を釣るために買った品物ですから、時には過激に、時には無理やり使う事もあり、どうにも思った通りに動いてくれないと... そんなふうになってしまう事も多々あります。
自分でやれば良いんですが、忙しさも有り、メーカーへリールのメンテナンスを依頼しました。しばらくの時間、リールはメーカーに預けられ帰りを待ちわびる訳ですが、帰ってきたリールと対面した時に色々と思う事がありました。
「で、何がどう悪かったの?」
「いや、パーツを変えたってのは見たら分かるけど、なぜ交換するの?」
「どうしてこんなに高いの?」
「良くなったんやろか?」
多々生まれてくる疑問をぶつける相手もおらず、どうにも持っていけない思いを我慢して、「しゃーないな...」と納得させるわけですね、自分を。
友人ではありますが、今はお客様でもある皆様に、リールのメンテナンスで自分が感じた思いをして貰いたくない、と考えたのが今の当店の基準になっています。
ご自分では開けられないような精密機器のリールなんだから、納得頂けるように中身をしっかりと見てもらおうと。
分からない事だらけの精密機器のリールなんだから、分かって頂けるように何でもお話しするようにしようと。
そうして、「お役に立てる仕事としてやっていきたい」と思い、これを私の生業にすることにしました。
「見えるメンテナンス」
「話せるメンテナンス」
お役に立ちたい気持ちを言葉にしたつもりです。
如何でしょうか。
工房エンタ 代表
宮園幸雄